旧東京田辺製薬により臨床胆汁酸研究会の第1回が開催されたのは昭和57年で、平成14年に第13回が開催されるまで、毎年もしくは隔年で開催されていた。講演はすべて指定演題で、平成8年開催の第10回まではほぼ毎回、外国の著名な胆汁酸研究者が特別講演を行っていた。第1回では、故 辻井 正先生の司会で故 大菅俊明先生と故 梶山梧朗先生が胆石の成因の講演を、故 菅田文夫先生の司会で牧野 勲先生と五十君裕玄先生が胆石溶解の講演を、武内俊彦先生の司会で胆石診断の講演を、故 亀田治夫先生の司会で米国のAlan Hofmann先生が胆石溶解の特別講演を行っている。これを見ると、多くの胆汁酸研究の先駆者の先生方が亡くなられてしまったと感じる次第である。私自身も平成2年開催の第7回に、故 木谷健一先生司会の胆汁酸の肝細胞内輸送のセッションで講演を、平成4年開催の第8回に、谷川久一先生司会のUDCA療法のセッションで講演を行っている。ちなみに第10回は私の司会でドイツのGustav Paumgartner先生が講演を行い、これが海外からの特別講演の最後となった。
その後、全国大会を中止して、東西で隔年に研究会を行うという会社の方針となり、西日本臨床胆汁酸研究会が平成11年に、東日本胆汁酸研究会が平成13年にスタートし、平成16年以降は東西で交互に開催されることになった。西日本臨床胆汁酸研究会は昭和57年に始まった西日本臨床胆汁酸研究会に東海胆汁酸研究会が合流して発足し、平成11年開催の第14回は、恩地森一先生の当番世話人のもと松山で開催された。本研究会は平成23年開催の第 20回が、坪内博仁先生の当番世話人のもと大阪で開催されるまで続いた。私自身も西日本臨床胆汁酸研究会が隔年、交互の開催になってからは毎回、参加させて頂いた。 東日本胆汁酸研究会は平成元年に始まった関東甲信越胆汁酸研究会と昭和53年に始まった東北胆汁酸研究会が合併して発足した。平成13 年開催の第1回は、税所宏光先生の当番世話人のもと東京で開催され、平成22年に第6回が私の当番世話人のもと東京で開催されるまで続いた。
その後、再び会社(田辺三菱製薬)の方針により、全国規模で胆汁酸の研究会を隔年で開催することとなり、平成24年に胆汁酸フォーラムが発足した。東日本胆汁酸研究会の代表世話人であった私自身が代表世話人を拝命することとなり、西日本臨床胆汁酸研究会の代表世話人であった岡上 武先生には特別顧問として加わって頂くことになった。開催は隔年で東京と大阪で交互に行うこととなり、第1回は松﨑靖司先生の当番世話人のもと平成24年に東京で、第1回は田妻 進先生の当番世話人のもと平成26年に大阪で、第3回は海野倫明先生の当番世話人のもと平成28年に東京で開催された。第4回は向坂彰太郎先生の当番世話人のもと平成30年7月に大坂で開催予定である。